豪ドル/円相場は、100~102円のレンジで揉み合う展開が続いている。オーストラリア準備銀行(豪中央銀行)は利下げに踏み切ったことが豪ドル相場を圧迫するも、新たなトレンドを形成するには至っていない。円サイドからも特に積極的に仕掛けるような動きはみられず、膠着気味の相場展開が続いている。
5月7日に開催された豪金融政策決定会合であるが、政策金利であるキャッシュレートを0.25%引き下げ、過去最低の2.75%とすることが気手地された。マーケットでは50%程度の確立で利下げを織り込んでいたことでサプライズ感まではないものの、豪ドル相場に対してはネガティブな動きになる。スティーブンス総裁は、「輸出価格下落と金利低下を考慮すれば、豪ドル高は異例だ」として、改めて現行の豪ドル高水準に強い懸念を表明している。加えて、「インフレ見通しからみれば、需要を支えるために必要ならば追加緩和を行う余地がある」、「この日の会合で理事会はその一部の活用を決めた」として、追加利下げに踏み切る可能性にも含みを持たせている。9日には4月の豪雇用統計の発表が控えているが、低調な経済指標は追加利下げ観測を経由して豪ドル安要因になる可能性に注意したい。
もっとも、豪ドルに対する売り圧力は、対米ドルに限定されよう。日豪の金融政策環境を考慮すれば、対円で豪ドル相場が大きく売り込まれる余地は限定されている。株式市場を中心としたリスクオンの地合が継続していることも、豪ドル相場の下落余地を限定しよう。ドル/円相場が1ドル=100円の節目を前に足踏み状態になっていることが豪ドル/円相場の上値を圧迫しているが、100円の節目は維持されよう。
今後1週間の予想レンジは、100.00~102.50円。